1. TOP
  2. 金融機関、信用保証協会、日本政策金融公庫と連携した創業融資

金融機関、信用保証協会、日本政策金融公庫と連携した創業融資

通常では、創業融資において日本政策金融公庫を1本で進めるケースが多いです。但し、融資金額が多い(2,000万円以上)では、なかなか日本政策金融公庫の融資だけでは難しいです。創業融資枠自体は、7200万円ですが、実際には、1,000万円程度が上限と考えていたほうが良いです。そこで、1,000万円以上の融資を考えると、金融機関と信用保証協会、日本政策金融公庫と連携をした融資を考えるべきです。信用保証協会は、コラムでも記載していますように創業希望者や中小・零細企業向けに信用保証料を支払って融資の保証をしてもらい、金融機関からの資金調達を円滑に出来るようにする言わば保証人のような機関です。借入希望者に対して直接的に融資は出来ませんが、金融機関と密に連携していますので、信用保証協会が保証を認可すると金融機関は融資によるロス(いわゆる不良債権)が軽減されますので信用保証協会の保証認可を条件にお金を貸してくれます。保証人になりますので信用保証協会の方が融資審査はしっかりと行います。ここで信用保証協会のメリットをおさらいしておきます。


信用保証協会利用の4つのメリット

1.信用保証協会から保証認可をもらえればほぼ金融機関が融資をしてくれる。

2.金融機関との取引実績がつき、次回以降の融資の際に審査時間が短くなる。

3.自治体の制度融資を利用すれば、定められた低金利で資金調達ができ、一部自治体では信用保証料の支払いを負担してくれるところもある。

4.数年後(おおむね2~3年)の決算内容によっては、条件が合致していれば迅速に認可取得が見込める信用保証協会独自の融資商品も利用可能となり、資金調達の幅が格段に拡がる。


自治体の制度融資について

 信用保証協会は、保証人のような立場となってくれることはおわかりいただいたかと思いますが、信用保証協会を利用する上で③の自治体の制度融資を利用するということのイメージが湧かない方もいらっしゃると思います。

自治体の制度融資とは、各都道府県や市町村が信用保証協会を利用して事業資金を借入する小規模事業者のために、低金利且つ固定金利で借入をしてもらうよう斡旋しています。一部自治体では自治体の制度融資を利用することによって信用保証料を負担してくれる自治体があります。例えば、300万円までは信用保証料を全額負担してくれる自治体もあれば、借入金額を問わず信用保証料の25%を負担してくれる自治体もあります。

300万円を借入期間7年で融資を取り組んだ場合、約12万円{信用保証料率1%で計算した場合です。一般的には1.2%前後での取組が多いものですが、創業者に向けて1%以下に優遇してくれる信用保証協会や制度融資もありますので1%で試算しています。計算方法は借入金額(円)×借入期間(年数)×0.55×保証料率(%)で算出されます}の信用保証料が融資金を入金する際に差し引かれて入金されます。これを全額自治体が負担してくれるとなると約12万円分の資金繰りに余裕が生まれることとなります。創業スタート時点からお得に事業を進められるかもしれませんので必ず各自治体のホームページを確認しておきましょう。

できれば高い金利で融資をして収益を上げたい金融機関も低金利で融資をすることとなりますが、原則として金融機関もこの制度融資の利用を拒むことはできず、むしろ自治体の制度融資を利用するように提案してくれる金融機関の担当者もいます。小規模事業者への事業資金借入を促進するために設けられていますので、利用できる事業規模・借入利用限度額等の制限はありますが、知っているだけで知らない方よりも金利や信用保証料を軽減できるかもしれませんのでぜひ知っておきたいところです。


金融機関が金利を決められる商品もあるので注意

 信用保証協会の保証付き融資には、自治体の制度融資を利用せず金融機関が融資金利を決められる融資商品もあります。制度融資のレートでは逆に金利勝負で他行に負けそうな大口顧客に対しては、1%をはるか下回る金利で提案する金融機関もあります。

ただ、まだ1円の売上も上げていない創業融資を希望の顧客への融資金利は、自治体の制度融資の方が低い場合も多く、金融機関に金利を決められては厳しい条件を提示されかねません。支払利息の負担を軽減するためにも近隣自治体の制度融資は必ずチェックしておいてください。



信用保証協会と日本政策金融公庫との連携融資のメリット

 三機関における連携融資のメリットと言えばやはり中小・零細企業が将来の資金調達を円滑に行う上で事前に取引をしておきたい金融機関、信用保証協会、日本政策金融公庫との取引が創業融資の時点で始まり、業容拡大と共に資金調達の幅が格段に拡がる点にあります。また、創業融資の際も三機関で情報を共有して資金調達のバックアップ体制が整っているため、非常に心強いものとなります。借入希望額に沿った三機関での話し合いや創業計画のアドバイスも同時に行ってくれます。それぞれが有するネットワークを収集できることも業容拡大に向けての大きな力となるでしょう。


デメリットがあるとすれば

 創業融資借入時に金融機関、信用保証協会、日本政策金融公庫の各担当と面談が必要なところです。日程調整と時間を要しますが、質問内容はほとんど同じで次第に慣れてきますので問題ありません。


ではまずどこに相談に行くべきか

 結論から先に申しますと、日本政策金融公庫へ相談に行ってください。これには融資を行う側の心理を逆手に取ります。

例えば融資希望額400万円で金融機関と日本政策金融公庫の双方で融資を申し込むとします。日本政策金融公庫では200万円しか融資できない場合、近隣の金融機関へ残りの200万円を連携融資で取り組みたい旨の相談に行って希望額に沿えるよう頑張ってくれます。

しかしながら、金融機関は日本政策金融公庫ではなくまず信用保証協会へ相談に行く運びとなることがほとんどです。残りの200万円を信用保証協会が保証の認可を行えば、融資を行うのは金融機関ですので金融機関としては400万円の融資を全て自行で取り組むことができます。日本政策金融公庫と連携融資を行えば半額の200万円の融資金額となり、結果的に利息収入も半分となりますので金融機関からは日本政策金融公庫へ連携融資の相談に自ら相談に行く可能性は低いと考えるのが妥当でしょう。

また、信用保証協会の保証付きで融資を行うと、倒産になった場合に信用保証協会が保証人になってくれており融資金額のほとんどが返ってくるのでリスクが少なくて済みます。これで金融機関が信用保証協会を推進する理由がわかります。

日本政策金融公庫としては信用保証協会の保証付き融資ができないため、希望金額に沿えない場合はどうしても金融機関へ協調融資の相談に行かなければならないこととなります。どちらに相談に行くか迷う場合は上記の理由からもまず日本政策金融公庫に相談に行っていただくことがベターでしょう。


はじめから連携融資をほのめかしても良い

日本政策金融公庫へ創業融資の相談へ行った場合は、あらかじめ信用保証協会と金融機関の連携融資をしてもらっても大丈夫だという姿勢で臨んでください。借入希望金額の全額を日本政策金融公庫から調達が可能であればそれ以上に時間をかけてまで連携融資にこだわる必要はありませんし、無理に連携融資に持っていく必要もありませんが、話の途中で三機関での連携融資の話を切り出してもらっても構いません。


このように金融機関、日本政策金融公庫、信用保証協会の三機関での連携融資は創業融資の有効な調達手段です。事業が軌道に乗り、業容拡大に向けての設備投資や増加運転資金の調達は、上記三機関が心強い存在となります。決められた返済日に決められた金額を返済し、返済実績を構築することはもちろんですが、創業融資のうちに三機関との取引をスタートさせ、いざ必要なときに即座に対応できるよう創業融資の段階から準備しておくことも重要です。



創業融資で分からないことがあれば専門家へ相談を

創業融資は一発勝負です。 一人で悩まずに専門家に相談して問題をクリアにし、準備を万全にしてからいざ本番に臨みましょう。 創業融資のフルサポなら、近くの専門家に無料で相談にのってもらえるから安心です。 お近くのフルサポを探す

「自分の事業にどれ位融資して貰えるか知りたい」

「事業計画書を書いてみたけれど、本当にこれで融資を受けられそうかな?」

「返済が心配なのでスケジュールを相談したい」

などなど、人によって気になるポイントは様々。 創業融資のフルサポなら、相談できる先生の雰囲気や事務所の強みを確認できるから、安心して連絡ができますね。

まずはメールで問い合わせたいという方はコチラ