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元創業融資担当者へインタビュー「面接なんて怖くない!事業計画書の項目」

創業融資申込後や初めて日本政策金融公庫の融資を利用する際には、日本政策金融公庫担当者との面接が必ずあります。
特に創業融資申請の際は創業計画書の内容から質問されることは、以前お伝えしたとおりです。では具体的にはどういった質問をされるのでしょうか。その質問意図も気になるところです。
過去に日本政策金融公庫担当者と共に創業融資のサポートをされた、元金融機関担当者の方に、面接の際の質問について一歩踏み込んで伺いました。


―担当者は、創業計画書に関して何を聞きたいのでしょうか。

はい。日本政策金融公庫担当者は基本的に
「事業計画書の記載内容の裏付けとなるエピソード」を聞いてきます。
エピソードから起業の動機以外で、創業計画書の記載内容に確立した裏付けとなるエピソードであるかどうかを確認しているのです。
過去の勤務経験で蓄積された業務ノウハウや構築された人脈を存分に話してください。本当に裏付けがあればいくらでも話せるはずです。相手は年間に何十人もの面接を行っているプロ。表情の変化も見ていますから、嘘やごまかしは厳禁です。仮に転職経歴が多くても、胸を張ってその理由を言えれば問題はありません。


―創業計画書の経歴欄では、どんな質問を想定しておけば良いでしょうか。

経歴欄では申込者が過去に在籍していた事実しか分かりませんので、勤務年数や勤務内容について質問をされます。しどろもどろにならないように、頭の中で整理しておくと良いですね。その際「①事実」には「②勤務先で得たもの、どう対処したか」というプラスエピソードを加え、実力をアピールしてください。例えば、

【例1】
①A社では5年間営業業務を行っていました。
②5年間の営業業務から業務・個人用までジャンルを問わず○○関連の豊富な知識を有しています。

【例2】
①自身のやりたいことがB社にあり、C社は1年で退社しました。
②同じ業界のためB社ではすぐに順応し、過去に培った知識を活用し、新商品ヒットに貢献しました。

【例3】
①脱サラして独立するためにD社で2年間修業をしました。
②その間仕入れから販売までのノウハウと技術面を身につけ、自己資金も○○円貯めました。

というような具合です。一般的な履歴書と同様ですから、難しく考えることはないでしょう。


―立地についての質問は、どこを突かれるでしょうか。

特に個人を対象に販売する場合は、開業地はかなり重要なポイントです。
周辺の同業他社の有無や、あればその商品・価格帯などの調査・確認は必ず行って差別化、優位性をアピールしてください。資料の作成までは求められませんが、周辺地域の市場調査をしっかりしているかどうかもあわせて見られています。足を使い周辺の環境を調査し、きちんと「なぜこの地で開業するのか」という根拠と「この地だから成功する」という確たる自信を伝えてください。

例えば、
「この商品は若者・学生が主ターゲット層であるため、学生の一人暮らしが多い学生向けマンションが多い○○市○○町を開業予定地に選びました。周辺半径○キロメートル圏内には同業他社が5社あります。価格帯は自社1,500円に比べA社2,500円 B社2,000円…また自社製品は他社にはない○○という特徴があり、差別化がはかれます。」
といった具合です。


―なるほど。取引先・取引関係等の欄についてはどうでしょうか。

販売先が対面以外、インターネット販売も想定していればあわせて伝えられるようにしておきましょう。記載しなくても、補足して言えれば問題ありません。
面談では、「取引先がなぜそこか」というエピソードを聞かれます。その仕入先を知ったエピソードでプラス材料があれば全く印象が違いますから、小さなことでも経験を思い出しておき、活用しましょう。

例えば以下のようにアピールをすることができます。

・前職で10年担当していた企業で、起業の際にも取引してもらえる確約をもらっています。
・前職で担当していた企業の下請け先です。担当者と情報交換も密に行っており信頼できる企業です。
・産業フェア出展時に挨拶させていただきました。先日起業する旨を伝え、代表者様から「あの商品なら間違いない」とお墨付きいただき、取引見込です。

取引先を全て記載するのは難しいですが、これから探す場合でもどのツールを用いて探しているのか伝えれば、やる気があるという判断材料になります。


―事業の見通しの欄では、何を質問されるのでしょうか。

月平均の売上・必要経費・利益についての内容です。
売上高の算出は月あたりの売上根拠ですので、週あたり、1日あたりの売上予測の算出は何を根拠に算出されるものかを細かく聞かれます。

固定費は前職の経験上の算出や、事務所の広さや売上予想に応じた固定費の算出で良いです。光熱費、消耗品費、雑費に伴う出費も細かく見ておきましょう。

経費の計画が無理に書かれていればいるほど、金融のプロの厳しい突っ込み質問が多く発生します。ゆるめよりも敢えて厳しめの算出基準の現実的な事業計画を提出することで、担当者からの予想外の質問を防ぐことができます。


―融資額が希望金額に満たない場合もあるそうですね。

確かに借入希望金額通りに融資金額を決定してくれるかは分かりません。ですが悲観する必要はありません。なぜなら、日本政策金融公庫と取引を開始出来たことに大きな意味があるからです。

日本政策金融公庫自体が
「創業融資の際は無理のない範囲の借入をしてもらい、軌道に乗ってから再度融資を検討させていただきます」
という姿勢で支援していますから、後回しにできるものは次回の融資時にと考えればよいのです。創業後の多忙な中あっという間に時間が過ぎ、気づけばいつの間にか次の借入の相談時期が到来していることでしょう。
日本政策金融公庫担当者は、創業計画書の記載している事実というよりも記載するまでに至ったエピソードを重視します。

「起業意欲のある方が起業を行うためにこれだけの準備をした、ここまでの勉強をした」
ということを伝えることが出来れば、熱意を持って創業融資に取り組んでくれます。ご自身のこれまでの独自の経験や実績を大切に、意欲が伝わる形で面接に臨んでいただければと思います。


―ありがとうございました。


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