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元創業融資担当者へインタビュー「創業融資可否の基準は何か」

創業融資担当者目線から見た「融資基準」

融資を受ける際、本当に気を付けなければいけないポイントは何でしょうか。
準備をしたのに融資面接を突破することができない…その理由は一体何でしょうか。
実際に金融機関での融資経験があり、日本政策金融公庫と協調で創業融資を行ったこともある元担当者様に、創業融資担当者目線での内情をこっそり伺いました。


―創業者には、今どんな支援がされているのでしょうか。

金融機関側の立場から率直に思っていたことは、「創業融資に対する支援体制が一般の融資より恵まれている」ということです。
創業融資は国が掲げる創業支援施策の下で商工会議所、商工会といった経済団体、日本政策金融公庫、信用保証協会等の政府系金融機関、地方銀行・信用金庫等の各金融機関が一体となって支援しています。

商工会議所では創業・起業者を対象に数回に渡ってセミナーや成功事例等を紹介する「創業塾」を行っており、日本政策金融公庫等や金融機関が主催する起業応援セミナーはいつもどこかで開催しているほどです。
単にセミナーに参加するだけでは融資審査においての加点項目にはなりませんが、創業準備のノウハウを学ぶことができますし、創業後の苦悩やその解決策、実際に創業融資を利用した創業間もない(商工会議所「創業塾」ではいわゆる卒業生が話してくれます)創業者の生の声を聞くことができるといったメリットがあります。
創業・起業者には今、追い風が吹いていると言えるでしょう。


―なるほど。積極的に支援することで、もっと創業者が増えることが期待されているのですね。

はい。日本の99.7%が中小企業であり、中小企業者の減少は今後の日本経済をも揺るがす大きな懸念事項となっていることは国も十分認識しています。

そのため「各団体・金融機関には創業・起業者にできる限りの支援をお願いしたい」というメッセージが、創業支援施策の中からも読み取れます。例えば中小企業庁では創業ベンチャー支援、金融庁では中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針より創業者に対しての補助金の活用や地域密着型金融でコンサルティング機能の発揮を求められています。


―金融機関にはどんなメリットがあるのでしょうか。

金融機関側としても、創業時からお付き合いがあることで将来のコア顧客ができ、融資以外の複合取引も派生することで収益の拡大を図る狙いがあります。 
金融機関のホームページをご覧いただくと「当金融機関は創業融資等の創業支援を行っています」と大きくアピールされている事がお分かりいただけると思います。

金融機関が創業者・創業融資希望者に対してコンサルティング機能を発揮しているか、保証協会や担保主義に依存しない形での融資の提案が出来ているかが問われるため、数年に一度監査に来る金融庁に対して「我々は創業支援に対する融資姿勢も積極的に行っています」とアピールできるようにしているのです。


―融資担当者側は融資の際に、どの点を見ているのでしょうか。

金融機関側からすれば1日も商売を行ったことのない事業者へ融資をすることは、何期も決算・確定申告を終えた事業者への融資よりはるかにハイリスクです。  
ではどこを見て融資可否を判断するのかというと、一言で申し上げますと起業者の「人となり」が大きく影響します。

1 真面目な人
2 きちんとお金を返してくれそうな人
3 事業を大きくして日本経済の発展に少しでも貢献する意思のある人

創業融資申込時に提出する事業計画書と共に、この3点を金融機関側にどうアピールできるか。担当者はそこに着目しているのです。

1 真面目な人

起業前の在籍企業の勤続年数を確認しています。2~3年でも良いですが、長いに越したことはありません。一つの企業で長く勤めているか、会社を転々としていても同じ業界での経験があるかを見ています。経験のない業種や他業種で起業される場合は思いつきで起業すると勘違いされないよう、それ相応の理由が必要です。

2 きちんとお金を返してくれそうな人

自己資金の保有状況がわかる書類として通帳の写しを提出する場合、自己資金額のみならず、コツコツと預金が積みあがっているかも見ています。引き落としに遅れがないかなども確認しています。

3 事業を大きくして日本経済の発展に少しでも貢献する意思のある人

事業計画の内容は多少「絵に描いた餅」でも構いません。業績が多少左右するのはどこの企業でもつきものだからです。それよりも創業前から日々の細かな収支計画のビジョンをある程度でも持てているかどうかが重要です。
融資を行うのは日本政策金融公庫本体ではありますが、取引が行われるのは事業所の最寄りの支店です。「地元の地域活性化に貢献したい」、「お客様の流れを少しでも地元に向かせたい」など、地域と共に歩みたいというアピールをすることを忘れないでください。

その他、
・なぜ起業をしようと思ったのか
・前勤務地や現居住地が融資予定の支店から遠ければ、なぜその場所を選んだのか
・同業他社が複数あれば、他社との違い
・起業後の目標や会社の展望
を押さえておくと安心です。


―多数の着眼点をありがとうございます。融資依頼先でお勧めがあれば教えて下さい。

日本政策金融公庫や金融機関は、国からの要望に加え自行においての将来の収益基盤の構築のためにも様々な観点から創業融資を積極的に行っています。
中でも日本政策金融公庫は融資の際に代表される政府系金融機関の一つです。旧国民生活金融公庫時代からの創業支援に対するノウハウもあり、起業者にとっては非常に心強い存在と言えるでしょう。
ご自身の起業における資金繰りに少しでもゆとりを持つためにもこの追い風に乗り、まずは日本政策金融公庫の創業融資の活用からご検討されることをおすすめします。


―ありがとうございました。


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――――創業お役立ちインタビュー――――
1.創業融資担当者目線から見た「融資基準」
2.良いスタートをきるための準備とは
3.創業融資を受けると得か損か
4.日本政策金融公庫の活用方法
5.面接なんて怖くない!経営者の資質はここで見られている
6.面接なんて怖くない!事業計画書の項目
7.20年前の創業融資
8.飲食業開業のために融資を借りました
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11.銀行融資と保証協会
12.マイナス面があっても『創業する』熱い想いを伝える
13.創業融資成功後、3年で閉店の理由


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