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創業者へインタビュー「マイナス面があっても『創業する』熱い想いを伝える」

マイナス面があっても「創業する」熱い思いを伝える

これまでさまざまな方に創業融資でのエピソードやアドバイスを伺ってきましたが、今回の方は前年度の収入がなんとゼロの方です。全く収入のなかった方が日本政策金融公庫の創業融資を勝ち取った経緯について教えてくださいました。金融機関では取組しづらい案件をどうやって日本政策金融公庫で取組出来たのでしょうか。

無収入から業務経験を生かして創業し、成功

不動産仲介・管理業で創業しました。当初は従業員の採用に苦労しましたが、現在は私と2人の従業員で展開しており、お陰様で現在のところは業況面も順調です。管理物件の件数増加で収益基盤を確立させ、仲介の営業活動に注力しています。今年度は分譲住宅の仲介案件が追い風となり当期利益も計上見込みです。同業他社が多数点在していますので、いい緊張感の中で社員と業容拡大に向けて日々邁進しています。労務管理もしっかり出来ていますよ。

それまでは地元の不動産仲介・管理会社に12年間勤務していましたが、同社の廃業に伴い不動産会社を3社渡り、その後子育てと妻の介護の為に1年間休業、その間に創業準備をしていました。
1年間収入はなく貯蓄を切り崩して生活しており、直近では無収入でした。
休業していた際も下調べ等の事前準備はしていましたが、妻の体調が回復に向かったのを確認し、本格的に市場調査を開始し日本政策金融公庫さんにも相談にいきました。

仕事と家庭の両立のためには創業

サラリーマンを続けるという選択肢ももちろんありました。同業の多くは業績に応じた形で収入も増える企業が多いですし、固定給も見込めるのですが、妻の体調が完治したわけではありませんでしたし、いざ急に休暇や早退を取らなければならないときに叶わない不安の方が優先しました。自分自身に働き方改革を行う必要がありましたので。

かといって福利厚生は良いけども全くノウハウのない業界に飛び込んだとしても、転職当初は家庭に目を向けられない時間も増えると思いましたので、職場環境に融通のきく同業の会社を自分自身で創業するしかないと思いました。仕事と家庭を両立出来るように自分ですれば良いと。

自宅にいるときには妻に自分であればこんな会社を設立してこういう風に動かしてみたいといったビジョンを常に伝えていました。サラリーマン時代に仕事の悩みや愚痴を聞いてもらっていたので大まかな部分では妻もイメージしてくれていたと思います。私の方から創業したいと話を切り出した際も、不安はあったはずですが手伝えることがあれば手伝いたいと応援してくれていました。

創業するしかないという熱い想いを伝えるために

地域のちょうど中間あたりの場所で、この地域の特性は理解していました。どこに営業を行えば反響があるか、住みやすさを伝えるための手法等は持っていたと思っています。
もちろん不安もありましたが、12年間勤務していた会社で管理していたマンションオーナーもいましたし、何より地元を知り尽くしているので創業するならここしかないという思いしかありませんでした。

1年間収入がなかった私に創業資金を貸してくれるのかという不安の方が大きい中ではありましたが、日本政策金融公庫へは500万円の借入申請をしました。
内装工事に約350万円、事務機器その他諸経費及び運転資金等に約250万円で総額600万円のうち、自己資金100万円はありました。

面接では経歴を話したあと、創業の動機、無申告の理由を詳細に説明しました。会社勤めではなく創業して家族を養いたい旨を中心に、創業するしかない、創業しかこだわっていないことを伝えました。収入がなかったので返済計画はかなり突っ込まれると思っていたのでシビアに作成して現状の生活費等もすぐに答えられるようにしていました。通帳の写しを見てだいたいは判断してくれたと思いますが、準備期間もあったので何を聞かれてもすぐに答えられる準備は出来ていました。

創業融資認可までの道のり

日本政策金融公庫では300万円であれば創業融資を取組出来ると言ってもらえました。残りの200万円については、他の金融機関に協調融資のお願いに行って来るので待っていて欲しいと言われ、お願いしました。金融機関が200万円を承諾するかはもちろん未定でしたが、出来る範囲で創業の準備を進めました。

一週間後ほどで地元の信用金庫が協調で融資したいとのことで面談させて欲しいと信用金庫の担当者から連絡がありました。日本政策金融公庫の担当者から話は聞いているとのことで再確認程度でした。

無事信用金庫でも融資の認可をもらいましたが、信用金庫の創業融資では規定上、宅建許認可申請中ではなく許認可取得の確認を条件に融資の取組を行うというものでした。日本政策金融公庫からは300万円で出来るところまで開業準備をしてもらい、許認可取得と同日に動き出せるようにしてくださいとの指示をいただきました。

元金返済は6か月の据置期間をいただいていましたが、ちゃんと返済してくれるか不安だから言っているのではなく、売上金が1日でも早く入るために頑張ってくださいというメッセージだったと解釈しています。

日本政策金融公庫の担当者は出来ないことは出来ないとはっきり言ってくれました。日本政策金融公庫では満額認可ではありませんでしたが、最後まで諦めずに近隣の金融機関を走り回って何とかして私の創業を支援してやりたいという姿勢が伝わりました。本当にありがたかったです。

創業融資を勝ち取ることが出来た理由

創業融資の取組は簡単なものではないと思いますし、私は幸い地元での勤務も長かった点と、今までやってきたノウハウから収支計画が伝えやすかった点もあったかと思います。それと、貯蓄は通帳の写しで明示できるようにしていましたし、コツコツ貯めていたことも評価されたのではないかと思います。

日本政策金融公庫の担当者には「サラリーマンをしても良いのでは?」と言われましたが、自分で創業しないといけない環境下にあるということを必死で伝えました。それが担当者に伝わったのではないかと思います。

日本政策金融公庫としても、創業者に対しては休む間もなくただひたすら働いてお金を返して欲しいところが本音だと思いますが、1年間ブランクがあった私の創業動機等を受け入れてくれました。まさに人物重視の認可をいただいたと思います。

創業の理由は人それぞれですが、創業したい、創業でないといけないという熱い思いを伝えることが大切だということがわかりました。たとえ満額認可でなくとも、連携している金融機関の紹介や創業までのスケジューリングのアドバイスなどを提案してくれることも日本政策金融公庫が信頼されている理由の一つかと思います。自分だけで無理だと決めつけずに、まずは相談して創業のための可能性を広げることが大事なことではないでしょうか。


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――――創業お役立ちインタビュー――――
1.創業融資担当者目線から見た「融資基準」
2.良いスタートをきるための準備とは
3.創業融資を受けると得か損か
4.日本政策金融公庫の活用方法
5.面接なんて怖くない!経営者の資質はここで見られている
6.面接なんて怖くない!事業計画書の項目
7.20年前の創業融資
8.飲食業開業のために融資を借りました
9.飲食業・バー経営 未経験での開業準備と開業後
10.色々な金融機関へ創業融資を申し込んだ結果
11.銀行融資と保証協会
12.マイナス面があっても『創業する』熱い想いを伝える
13.創業融資成功後、3年で閉店の理由


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