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創業融資経験者へインタビュー「20年前の創業融資」

20年前の創業融資

20年前に創業融資を経験され、現在は融資コンサルタントとして日本政策金融公庫の担当者と親交がある創業者の方に、当時の創業融資体験を伺いました。


―まずどちらに相談されたのでしょうか

私の場合、20年前に外食フランチャイズの立ち上げの指導店舗開業融資を依頼するために、メインバンクの大手都市銀行に相談に行きました。ですが慇懃無礼に門前払いされてしまいました。
飲食店以外に事業を展開しており預金も個人の定期預金もあったのである程度はどうにかなると思っていたのですが、全く相手にされず…。特に当時は、銀行や信用金庫など民間の金融機関は基本的に信用保証協会の保証付融資以外、ビジネス上の取引実績がない限りは創業者への融資には非常に消極的な時代でした。

近年は銀行や信用金庫も監督省庁である金融庁の金融行政の転換と地方の金融機関の業績悪化から、かなり柔軟に対応してくれる銀行も増えてはいますが、創業融資に対応してくれる金融機関の王道は、100%国が出資して設立された「日本政策金融公庫」や銀行など民間からの融資を間接的に支援する「信用保証協会」などの公的機関です。


―実際、創業融資担当者はどんな印象でしたか

大手都市銀行に融資を断られた私は、国民金融公庫を訪れました。
2008年に他の政府系金融機関と統合し株式会社として日本政策金融公庫になりましたが、私が利用した当時は「国民金融公庫」という特殊法人の政府系金融機関でした。

まず入室しての担当者の第一印象は、国家公務員らしい堅いイメージです。同じ金融機関でも、銀行員の四角四面な感じとは違った感じでした。ただ実際に相談すると親切な対応で、必要な手続き、提出する書類、融資可能額などを懇切丁寧に教えてもらうことができてホッとした記憶があります。その後の審査の際も、所定の創業計画書に沿った質問を受け、追加資料の提出を求められはしたものの、
「できるだけ希望に沿えるようにしましょう」
という気持ちが伝わってきました。

現在私は融資コンサルタントになり、日本政策金融公庫の方たちとセミナーや懇親会で親しくお話する機会があります。そこでも皆さん異口同音に、
「何としても希望に沿った融資に応じたい」
とよくおっしゃいます。門戸を開き、創業を全力で支援するために
「少なくとも所定の創業計画書にある要件だけは満たして欲しい、あとはできるだけのことをしますよ」
というスタンスが感じられ、私が相談にのってもらった20年前と同じく、創業者を本気でサポートしてくれる真摯な姿勢は変わらないなと感じました。


―創業融資を満額受けられたそうですね。そのポイントは、どこにあったとお考えですか

評価された部分は大きく3つあったと思います。

まず経営理念の設定です。
店舗の経営、運営の拠り所である経営理念の設定の際は「なぜ、そのお店をやりたいのか」をなるべく具体的に文章にしました。これがもとになって、中・長期的な店舗のあるべき姿、将来像が見えてきます。「誰に、何を、どこで、いくらで、どのように」提供するかといった実践的な店舗運営の仕組み作りにとても役立ちます。融資を受ける際の創業計画書につながる大事なものですので、ここは疎かにはしませんでした。

次に、創業計画書の作成方法です。
日本政策金融公庫には、所定のA3用紙1枚程度の創業計画書があります。しかし、この所定の計画書をもとに、独自の創業計画書を作成することをお勧めします。私も国民金融公庫所定の創業計画書以外に、顧問税理士に協力していただき、独自の事業計画書を作成・提出しました。
その内容は、店を開業するにあたっての動機と経営理念、自分の経験、実績や得意とする技術、自己資金、資金調達先、競合店分析、自社の商品とその強み、予定する取引先、設備資金と運転資金を含めた開業資金計画、予測損益計算書、収支予定表、開店までの詳細なスケジュール表など。これをもとに国民金融公庫の創業計画書に照らし合わせ、矛盾がないか顧問税理士とともに何度も確認し、提出しました。融資担当者に何か聞かれて説明するときもスムーズな受け答えができ、好印象を与えたようです。また、追加資料を速やかに提出しました。厨房機器の見積書と店舗内・外装費の見積書を求められすぐ提出し、支店決済の上限いっぱいの満額融資を受けることができました。その後、臨店調査で
「いいお店ですね、頑張ってください」
という会話で終了したことを昨日のことのように覚えています。
最後に金銭の支払いをきっちりしておくことです。
融資を受けることを考えた時から、遡って2〜3年はキャッシングなどの借入はしないことです。個人の資産状況も調べられますから、消費者金融などからの借入があっては印象が良くないからです。また、公共料金や携帯電話の支払いなど細かな支払いも滞らないよう細心の注意を払いました。


―なるほど。貴重な体験談をありがとうございました!


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