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創業経験者へインタビュー「良いスタートをきるための準備とは」

創業を考える方なら誰もが一度は直面するのが創業に関する資金の問題です。
適切な額を資金調達する目途がたてば創業も半分はうまくいったようなものですが、それこそが最大の難関であることは間違いありません。
起業家が「必要資金を全て自己資金だけでまかなえる」というのは稀なケースです。
今回は実際に創業された方に、創業者の資金調達といいスタートについて伺いました。


―いいスタートをきるために、創業者はどんな点に着目しておいた方が良いでしょうか。

創業の際には融資の有無やその額の大小に関わらず、事業計画書を作る必要があります。
事業計画書では売上高の目標を最初に計算してしまいがちですが、その前に経費の目途をたてる必要があります。

例えば、固定費・変動費は、それぞれどれくらいでしょうか。仕入と売上の入出金サイクルはどれくらいでしょう。各経費を具体的に考えておかないと、思いがけない出費に頭を抱える羽目になりかねません。

事業において現金は、人体における血液に例えられます。例えどれだけ将来性豊かな事業内容であっても、事業を継続していくことができなければ意味をなしません。まさに人体における血液、「常に循環していなければ死に絶えるもの」に等しいのが現金なのです。
実際私の店も、開業から最初の1年間は客層、客数、売上高が予想通りに推移しませんでした。いい方に高振れすれば良かったのですが、事業計画書の想定を大きく下回るスタートになりましたし、決して珍しい事例ではありません。
ですから事業開始に必要な額と別に、創業時に最低でも3か月分、可能であれば6か月分の運転資金は手元に準備しておくことを、私の経験上お勧めします。


―お店を運営しながら経営資金を貯めていく、という方法もあるのではないでしょうか?

事業がスタートしてからは、日々の営業に忙殺されていくので、やめた方が賢明でしょう。毎日のようにお客様や取引業者との関わりが発生しますし、次を見越した仕入や経費に資金を使うことで次の売上、次の営業利益を追求していかなければなりません。
事業ではこのサイクルが止まることはないため、事業が一度始まれば継続して忙しいのは自明の理です。だからこそ、事業をスタートする前の事前準備がとても大事になってくるのです。

例えばつい手薄になるのが、事業そのものへの投資です。
屋号やロゴなどからコンセプトを明確にして手掛けていく必要があるブランディングや、自社WEBサイトの開設、SNSの効果的な活用などは、じっくりと取り組む時間が必要です。屋号ひとつ、自社ロゴひとつとっても素人が作るものより、事業のビジョンを余すところなく表現できるコピーライターやデザイナーに依頼し、売上に繋げることもできます。
また、什器や製造機械、車両運搬具など一個人では到底想像できなかった価格帯の設備は、業種によっては欠かせないものもあるため、作業効率や生産性向上、他社との差別化といったことを考えると、必要と判断すべき場合もあります。

必要ない費用を湯水のように投入するのではなく、事業をよりよく継続していけるための投資は惜しまずに、思い切って資金を投入しておくと結果的に利益につながり成功することも多いです。つまり、事業がスタートする前から、充分な先行投資をして良質な事業にすることが肝と言えると思います。


―計画書が出来上がった後に、気をつけることを教えて下さい。

事業計画書を作り、必要な固定資産や経費の投資額を見積もることができたら、いよいよ金融機関の窓口で資金調達の依頼をします。
この際融資実行までに掛かる期間を知らずにいると全ての計画が狂いますから、注意してください。既に事業を進めている事業者ですら、金融機関の窓口で相談してから1か月近くはかかりますから、創業時はなおのこと、融資が実行されるまでの期間に余裕をもった方が良いです。ただし投資予定の内容や、事業内容、額の大小、 自己資金額等の条件によって融資実行までの期間は変わるので、諸条件を伝えて直接窓口に問い合わせてみて下さい。

起業は一生に一度あるかないかという大きなイベントで、初めての連続です。
実際に私も、金融機関へ提出する必要書類を揃えるだけでも膨大な手間と時間がかかりましたし、予定どおりにいかない事も多々ありました。
慌てて準備をしたことで必要になる事業資金額を甘く見積もって現金が不足したり、実店舗購入から改装などの時間が全く足りず事業を見切り発車した、という知人もいます。先々を考えて事業計画を慎重に立て、必要な事業資金額が定まったらスケジュールに余裕をもって金融機関への融資相談を進めることが大切だと思います。


―なるほど、よくわかりました。最後に創業者の方へアドバイスをお願いします。

不安の中右も左も分からず、自分だけで調べて進めずに、経験者や起業にまつわる仕事に従事する人に相談することで「何が必要なのか」「どう動けば良いのか」大きく見えてくるものがあります。身近で気軽に相談できる事業者がいなかったり、より正確な情報を多く知りたい場合、「創業支援のフルサポ」をお勧めします。
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―何事もいい相談相手がいると心強いですね。ありがとうございました。


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――――創業お役立ちインタビュー――――
1.創業融資担当者目線から見た「融資基準」
2.良いスタートをきるための準備とは
3.創業融資を受けると得か損か
4.日本政策金融公庫の活用方法
5.面接なんて怖くない!経営者の資質はここで見られている
6.面接なんて怖くない!事業計画書の項目
7.20年前の創業融資
8.飲食業開業のために融資を借りました
9.飲食業・バー経営 未経験での開業準備と開業後
10.色々な金融機関へ創業融資を申し込んだ結果
11.銀行融資と保証協会
12.マイナス面があっても『創業する』熱い想いを伝える
13.創業融資成功後、3年で閉店の理由

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